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味覚だけ

 先週まだ公演が始まって僅かの『牡丹亭』を赤坂ACTシアターにて観劇してまいりました。昼、夜、上演はその日によって異なりますが10月28日(18日のみ休演日)まで上演されています。
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 いや~質が良い。やはり玉三郎の彼自身の作品はレベルが違う。良い物を、上質な物を久々に観劇させて頂きましたヨ。
 玉さんは昔から好きなので、過去、舞踊の舞台も含め歌舞伎座にも随分通わせて頂きました。でも全くこの5~10年は必死には観ていませんでした、足も向けずに。
 やはり違うのよね、格が。それに久々に見た歌舞伎以外の玉三郎の世界はレベルが更に上がってた★

 夢から覚めやらぬ気持ちのまま観劇後の翌朝を迎え。
 幻のような「幻」を表現する舞台それが伝わって、まるで錯覚を起こしている様で。
 
 夢のような現実だった『牡丹亭』、そのままの夢として現実として不思議な感覚に居たい為、あえて!パンフレットを買わなかった私です。それ程良かった、そしてそれで良かった!心にしっかり染みついています。

 色彩、音、指先まで行き届いた演者達、シンプルな演出、バランスも見事で心地良いです。

 
 電光掲示板での和訳が舞台両サイドで流れるので少し離れた客席から見られると全貌が分かりやすいと思います。が、
私が座ったのは非常に前方生声が聞こえ、ディテールが細かく確認出来るような場所でした、雅楽のようにも聞こえる演奏団の直ぐ近くだったので弦楽器などの心地よい音も直接的でそれはそれで良かったです。
何処から見てもそれぞれで楽しめるかと。

観劇後には味覚の部分で味わいたいくて上質な中華料理を食べたくて仕方なくなりました(笑)。視覚、聴覚、嗅覚(舞台が近かったからかおしろいのような香りが、もしかしたらお隣の方の良い香りだったのか知れないけど)、触覚は現実にそこに居た私がその場を感じられて居たので、と4覚で満足楽しめたので、味覚だけが其処に無くって。4覚が丸々満足出来るそんな舞台や経験ってそうは残念ながら無いわけで。

 夢の世界に迷い込めたのは、昆劇の不思議な化粧や色彩溢れるの衣装の夢色々や煌びやかな装身具や装飾品そして奏でるような中国語や中国の楽器達の音や曲は全てが、そうさせてくれたのかもしれません。あと、ため息が出てしまいそうな玉さんの存在も。


http://www.tbs.co.jp/act/event/botantei/

 まだ終演していませんし、お席も取れるようですので近郊にお住まいで行くチャンスが在る方は観劇させることお薦めです。
 日本であんなに多くの方がスタンディングオーベーションしたのを見たのって始めてかもしれない。やはり演者さん(玉さん)は嬉しそうでした、伝わりますね。

 ひと時の夢の世界も、未来に良い影響を残すかと思います。たまには無理をしてでも体感して見れ感じられることは喜びかもしれません。
by DUTELOVECAT | 2010-10-11 11:08 | "shizu" ART